電場

電場は、電荷源が空間をどのように変えているかを、そこに置く試験電荷とは切り離して表します。ある点の電場が分かれば、任意の電荷に働く力は F⃗ = qE⃗ から求められます。

電場は単位正電荷あたりの力

E⃗ = F⃗/q    ·    F⃗ = qE⃗

E⃗ = F⃗/q と定義し、逆に F⃗ = qE⃗ です。単位は N·C⁻¹ で、V·m⁻¹ と等価です。E⃗ の向きは正の試験電荷が受ける力の向きです。負電荷では力の向きが E⃗ と逆になります。試験電荷は電荷源の配置をほとんど乱さないほど小さいと考えます。

点電荷がつくる電場

E = k|Q|/r²

点電荷 Q から距離 r の位置では E = k|Q|/r²、k = 8.9875517923 × 10⁹ N·m²·C⁻² です。正電荷からは外向き、負電荷へは内向きです。距離が2倍なら大きさは1/4になります。電場は方向を持つため、大きさだけで扱うと符号や幾何を失います。

+−正:外向き負:内向き
点電荷の符号で電場の向きが決まります

点電荷の電場

重ね合わせ:電場はベクトルとして加える

複数の電荷があるとき、合成電場は E⃗ = E⃗₁ + E⃗₂ + ⋯ というベクトル和です。各電荷がつくる場の向きを先に決め、必要なら x・y 成分に分けて加えます。大きさだけを足せるのは場が同一直線上にある特殊な場合だけです。対称性を利用すると、互いに打ち消す成分をすぐ見抜けます。

++PE₁E₂合成電場
重ね合わせでは大きさでなくベクトルを足します

電気力線の読み方

電気力線は電場を可視化するための図であり、実在する糸ではありません。各点で線の接線方向が E⃗ の向きです。正電荷から出て負電荷または無限遠へ向かい、密な領域ほど強い場を表します。ただし線の本数自体は作図上の約束です。電気力線は交差できません。交点では一つの点に二つの場の向きが必要になってしまうからです。

電場・力・運動

電場中の電荷には F⃗ = qE⃗ が働き、この力だけなら a⃗ = qE⃗/m です。同じ E⃗ でも正負で加速度の向きは反転します。静電平衡にある導体では内部の電場はゼロで、余剰電荷は表面に分布し、表面直外の電場は表面に垂直です。これは静電遮蔽を理解する基礎でもあります。

例題

1. 点電荷からの電場

+3.0 nC の点電荷から 0.20 m の位置で、電場の大きさと向きを求めます。

解答

E = kQ/r² ≈ 674 N·C⁻¹。正電荷から外向きです。

2. 負電荷に働く力

東向き 300 N·C⁻¹ の一様電場に −2.0 μC の電荷を置きます。力を求めます。

解答

|F| = |q|E = 6.0 × 10⁻⁴ N。q が負なので向きは西です。

3. 等しい正電荷の中点

同じ大きさの正電荷二つのちょうど中点では電場はどうなりますか。

解答

二つの電場は大きさが等しく逆向きなので打ち消し合い、E⃗ = 0 です。周囲の電場までゼロという意味ではありません。