万有引力

ニュートンの万有引力の法則は、落下する物体から惑星・衛星まで、質量どうしの引力を同じ規則で記述します。距離が大きくなるほど力は弱くなりますが、ある距離で突然ゼロになるわけではありません。

万有引力

F = Gm₁m₂/r²

二つの質量の間には F = Gm₁m₂/r² の大きさの引力が働きます。G = 6.67430 × 10⁻¹¹ N·m²·kg⁻² で、点質量または球対称な天体では r は質量中心間の距離です。作用する力の大きさは互いに等しく向きは反対ですが、a = F/m なので加速度は同じとは限りません。

r2r → F/44r → F/16距離 r力
重力は逆二乗則に従います。距離を2倍にすると力は1/4、4倍にすると1/16になります。

逆二乗則を試す

距離を k 倍にしたとき、質量が同じなら引力がどの割合になるか確かめます。

重力場と重さ

試験質量ごとに力を計算する代わりに、重力場を g⃗ = F⃗/m と定義できます。球対称な質量 M の外側では g = GM/r² です。地表付近では約 9.81 N·kg⁻¹ で、数値的には 9.81 m·s⁻² と同じです。重さは W = mg。軌道上の宇宙飛行士も強い重力を受けていますが、宇宙船と一緒に自由落下しているため体重計がほぼゼロを示します。

球対称天体と半径

球対称な天体の外側では、重力は全質量が中心に集中しているかのように働きます。したがって高度を扱うときの r は地表からの高さではなく、惑星中心からの距離です。均一な球体の内部では総質量をそのまま GM/r² に入れることはできず、半径 r の内側に含まれる質量が同様の形で寄与します。これは殻定理の結果で、理想的な一様球殻の内部では重力場が打ち消し合ってゼロになります。

軌道は連続する自由落下

惑星接線方向の速度重力は中心向き
軌道は連続的な自由落下です。物体は接線方向へ進みながら、重力によって速度ベクトルを中心方向へ曲げ続けられます。

円軌道では、重力が向心加速度を与えます。GMm/r² = mv²/r とおくと v = √(GM/r)。高い円軌道ほど速度は小さい一方、周期は長くなります。理想式では衛星自身の質量 m は消去されます。

重力ポテンシャルエネルギーと脱出

U = −GMm/r

距離が大きく変わる場合は、無限遠で重力ポテンシャルエネルギーをゼロとすると U = −GMm/r です。負号は、束縛された二体のエネルギーが無限に離した状態より低いことを表します。大気と自転を無視し、半径 R から無限遠へ到達して最終速度がゼロとなる最小速度は vesc = √(2GM/R)。円軌道の全力学的エネルギーは E = −GMm/(2r) で負です。

例題

1. 距離を2倍にする

距離 r で引力が F の二つの質量を 2r まで離すと、力はいくらになりますか。

解答

F ∝ 1/r² なので F′ = F/2² = F/4。

2. 高度での重力場

地球中心から 2R の位置では、地表 R と比べて重力場は何倍ですか。

解答

g ∝ 1/r² より g(2R) = g(R)/4。この位置の高度は地表から R です。

3. 円軌道速度

質量 M の天体のまわりを半径 r で回る小さな衛星の円軌道速度を導いてください。

解答

GMm/r² = mv²/r とおき、m と r を一つずつ消去すると v = √(GM/r)。