Mendeleev学ぶ
日本語JA

結晶構造

結晶は外形が整った固体というだけではありません。微視的には長距離の周期秩序をもち、格子が繰り返し並進を与え、基底(モチーフ)が各格子点に何を置くかを指定します。

格子・基底・単位格子

格子は抽象的な周期点集合、基底は各点に付く原子・イオン・原子群です。この二つの組合せが結晶構造です。単位格子は並進によって全体を再現する幾何学的選択で、分子のような最小の物体とは限りません。同じ結晶を異なる有効なセルで表すこともできます。

一つの単位格子並進による繰り返し

セル境界にある粒子を数える

セル境界上の原子は隣のセルと共有されます。立方体の角は 1/8、面中心は 1/2、完全に内部なら 1 個として数えます。このため単純立方、体心立方、面心立方の慣用セルはそれぞれ Z=1、2、4。立方結晶の密度は ρ=ZM/(N_Aa³) です。

ρ = ZM / (NAa³)

単純立方:Z=1体心立方:Z=2面心立方:Z=4

配位と充填

構造は最近接原子数と空間充填効率を決めます。BCC の配位数は 8、FCC は 12 です。密な充填だけですべての物性が決まるわけではありませんが、密度、転位すべり、機械的性質に強く影響し、結合と欠陥も同時に重要です。

回折が周期間隔を明らかにする

nλ = 2d sin θ

結晶面は X 線を散乱し、経路差が nλ=2d sinθ を満たすと強め合います。測定角度から面間隔 d が分かり、強度には単位格子内の原子配置の情報も含まれます。回折像は原子の写真ではなく、逆空間の測定とモデルから構造を推定した結果です。

計算例

1. FCC セル中の原子数

解答

8 個の角は 8×1/8=1、6 個の面中心は 6×1/2=3、合計 Z=4 です。

2. 銅の密度

解答

Z=4、M=63.546 g mol⁻¹、a=361.5 pm=3.615×10⁻8 cm を使うと ρ≈8.9 g cm⁻³ です。

3. 一次 Bragg 角

解答

λ=0.154 nm、d=0.200 nm なら sinθ=λ/(2d)=0.385、したがって θ≈22.6° です。